2008年04月27日

歿後二十五年 十三代柿右衛門回顧展

これを“ショップ情報”に含めるのが適当なのか迷いましたが・・・・・・開催場所がオフィシャルHPで“ショップ”になるのだから、と思い切ってご紹介することにしました。
ハウステンボスでは、ヨーロッパに縁のあるものは結構何でも場内にある場所なのではないかと思います。こちらは一見ヨーロッパとは縁が無いように思われ、唐突に存在しているような印象を受けることもありますが、実のところ全く縁が無い訳でもありません。それを知ると、日本とヨーロッパが思いがけないところで繋がっているとちょっと嬉しくなったりもします。

『柿右衛門ギャラリー』外観
400年の伝統美、柿右衛門の世界

柿右衛門の世界を演出した純和風ギャラリーです。
1階・中2階は江戸時代ヨーロッパの王侯貴族に愛された柿右衛門の作品、柿右衛門窯の歴史を紹介しています。2階では400年の伝統を今に伝える人間国宝14代酒井田柿右衛門の作品を展示・販売しています。
〔営業時間/10:00〜17:45〕

ミュージアムスタッドにある『柿右衛門ギャラリー』です。

こちらにあるのは有田焼です。いかにも“和風”ですのでヨーロッパとは何の縁も内容に思いますが、実はオフィシャルHPの紹介文にもありますとおり、その鮮やかな色使いがヨーロッパの王族や貴族に大変親しまれたようです。実際、陶磁器は江戸時代の日本の主な輸出品でもあったそうです。

現在の酒井田柿右衛門は14代になるそうです。14代がインタビューに答えたものを元に作られた本(「余白の美 酒井田柿右衛門」十四代酒井田柿右衛門著 集英社新書)によると、【柿右衛門】という名前は先代が亡くなると当代が改名して受け継ぐ、という由緒ある名前なのだそうです。
今、こちらでは、先代である13代柿右衛門が亡くなってから25年目に当たるということで、特別展として「十三代柿右衛門回顧展」が開催されています。本当ならばこちらは“ミュージアム”にもあたり、このイベントは『パレスハウステンボス美術館』の特別展と同じように扱われるのがスジなのでしょうが、残念ながらオフィシャルHPではそのようなカテゴリー分けになっていませんので、僭越ながらこちらでご紹介を、と思った次第です。

十三代柿右衛門回顧展(全景)
歿後二十五年 十三代柿右衛門回顧展

白磁の上から赤や金などの絵具で文様を描く色絵。1643年(寛永20年)、日本で初めて完成させたのは初代柿右衛門でした。当ギャラリー1階では今回、歿後二十五年を迎える十三代柿右衛門をしのび、ゆかりの作品を展示します。乳白色の「濁手(にごしで)」を現代に甦らせた名匠の作品をぜひご覧ください。

■期間/5月13日(火)まで
■場所/ミュージアムスタッド地区
■店休/水曜日
■料金/無料
(「HUIS TEN BOSCH PRESS Vol.73 2008」より抜粋)

こちらが、開催中の「十三代柿右衛門回顧展」です。ご覧のとおりガラスのショーケースの中にずらりと十三代柿右衛門の作品が展示してあります。

十四代のごあいさつショーケースの中には当代であり13代の息子でもある十四代柿右衛門のごあいさつがあります。
この中でも書かれている「伝統とは守るだけではなく、時代の流れに従って創造を生み育てるという強い信念のもとに」という13代の言葉には胸を衝かれたような気がしました。何でも13代は写実的な図案を焼き物に取り入れた方なのだとか。当代(14代)の作品である、『柿右衛門ギャラリー』の商品も、それを踏襲した馴染みのある図柄がメインになっているのも頷けるような気がします。

十三代の略歴こちらは13代柿右衛門の略歴です。
柿右衛門様式の特徴は、良く知られている「赤絵」の他に、磁器特有の青みがかった白ではなく柔らかい白を素地とした「濁手」があります。13代は、この「濁手」の復元に成功し、現代に甦らせた功労者です。
伝統を守りつつ、様々なことにチャレンジしていった13代ですから、紫綬褒章の受章や園遊会で天皇陛下にお声を掛けられたのもむしろ当然のことと言っても良いでしょう。

十三代の作品(その1)十三代の作品(その2)十三代の作品(その3)
それでは、13代の作品をご覧戴きましょう。
元々柿右衛門窯の作品は、狩野派などの日本画のような図案を焼き付けていったそうですが、13代はそのモダンな感覚からその場に花や鳥がいるような写実的な図案を焼き付けていった方なのだそうです。確かに、花も風にそよぎそうな気がしますし、鳥も今にも鳴いて飛んでいきそうな感じがしますね。
余談ではありますが、真ん中の絵皿は「HUIS TEN BOSCH PRESS」の初夏号に掲載されている「十三代柿右衛門回顧展」の記事に使われている写真のものです。

十三代の図案十三代が使用した道具展示の中にはこんなものもありました。「13代のスケッチ」と「13代が使った道具」です。
これを見ていると、代々の柿右衛門が「赤絵」の色を以下に図案に取り入れるかということを考えていたかが解るような気がします。・・・・・・もちろん“解った”のではなく、素人が“解ったような気がする”だけなのですが。
それにしても、13代の絵はのびのびとしていて素晴しいな、と思ったのが印象的でした。これを図案として焼き付けていったから、展示してあったような花や鳥の焼き物ができるのだな、と改めて感じたものです。

この表示に釣られて2階へ・・・・・・『柿右衛門ギャラリー』販売スペース階段のそばには、左のような表示があります。それに釣られて中2階で絵付けの工程を見て、その後2階に行くと右のように商品が陳列してあります。
焼き物の方は、安価なものでも「額皿」¥13,650などと決して簡単に手の出るものではありませんが、見ていると心が落ち着いて豊かな気分になれることは請け合いです。こんなものを普段使いに出来ればさぞかし良かろう、これを手に入れるためにもっと頑張らなければという気にさせてくれるのが不思議なところです。
他にも、書籍類の販売も数種類あります。前に書いた新書版の本もそうですが、¥2,000くらいの図録などもありますので、本物には手が出ないけれどもせめて写真を手元に置きたいと仰る方にはうってつけのものではないかと思います。

今回の帰国では、思いもかけず豊かな気分になる展示を見つけることが出来ました。こういった“掘り出し物”もショップ巡りの余禄と言えるのかもしれませんね。
01:17 | 長崎 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | イベント
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